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ど真ん中、直球勝負の映画。こころに響きました。

2017.03.30

一昨日観てきた映画の話です。

 

2本連チャンで観たのですが、特に感じたのは「わたしは、ダニエル・ブレイク」。

 

映画「わたしはダニエル・ブレイク」

 

 

簡単なあらすじを載せると、

イギリス北東部に住むベテラン大工のダニエル・ブレイクが主人公。彼が心臓の病で医者から仕事を止められ公的支援を得ようとするのですが、お役所仕事と複雑な制度のため追い詰められていくと云う話です。そして、ダニエルとたまたま知り合ったふたりの子供のシングルマザー、ケイトとの交流が物語を深くしていきます。

 

ご存じの方も多いと思いますが、イギリスは古くに「揺りかごから墓場まで」と云う手厚い公的保障制度の国として有名でしたが、その実情はと言うと、実際に保護を求めている手には届かない形骸化したものであることを浮き彫りにしていました。

 

淡々と日常の生活を描きながら、観ているうちに彼らに感情移入するとともに、この物語がだんだん他人事と思えなくなってきます。

自分がその立場になったら、まわりの人がそのようになったら。

他人ごとではなくなるのです。

イギリスの社会派巨匠、ケン・ローチ監督ならではの見事な直球がおさぴーの心にずしりと響いてきます。

この数年観た映画のなかでも、自分のなかでは最高評価に近い映画でした。

 

リアリスティックで抑えたトーンの奥には、監督の煮えたぎるような怒りが潜んでいるように感じました。

イギリスの良心を代表するローチ監督の揺るぎない信念が、観る者の心にずしりと響く作品だと言えると思います。

 

観るのに、少し覚悟がいるかなと思って出かけましたが、全然そうではなく、ぐいぐい引き込まれて、あっという間のラストでした。

ネタバレになってしまうので書けませんが、「う~ん、無念。もっと、、、、」と思いました。

無駄がなく流れるようなストーリー。ダニエル役のデイヴ・ジョーンズさんもすごい。どこにでもいそうな労働者の佇まいでありながら、人間味に溢れどこまでも誠実な、人としての正しさを滲ませる演技が光っていました。

おすすめの映画だと思います。

 

ちなみにこの作品、今回のカンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞した作品です。

監督としては、2度目のパルムドール受賞となります。

 

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