靴が出来上がる過程で大事なもの
2016.11.16
先日バックヤードを整理していたら、橫丁の靴やが「マスターシューフィッター」コースの勉強をしているときに造った靴と、その基になった木型(ラスト)が出てきました。
橫丁の靴やのための「一足」を作るためだけに作られたラスト
どこかにあるよなと思っていたものにめぐり逢えたよろこびと、「そうそう、あの頃は諸先輩方にラストやらパターンやらしっかり教えていただいた」なぁと云う、ありがたい記憶が甦ってきました。
靴を造る上で一番大事になる木型。
ラストと云いますが、「足の代わり」になるものです。
製作用(上写真)のラストをつくる前の木型
桜の木のブロックを削り出し、足に合わせて調整します
これがしっかりしていないと、いくら上質の革素材を使おうが、名人が吊り込みをしようが「靴」にはなりません。
木型(ラスト)とパターン(ラストに載せる甲革を裁断するために必須のもの)が、靴の価値を決めると言っても過言ではありません。
木型に基づいて、一足の靴が造られます
マスターシューフィッターコースで多くの学びをいただいたことは、現在の当おさだウイズ店の成り立ちにまで影響しています。
デザインやカラー、プライスももちろん重要ではありますが、足を保護し快適に歩行をサポートするための「靴」としての土台を疎かにしてはならないのです。
来春に入荷予定のこの靴も秀逸なラストを使っています
ラストを見ながら、しばしあの頃にタイムスリップし、これからも精進していこうと思った貴重な時間でした。