Vabeene工場見学その4
久々に”死んだように”眠りこけて、先ほど目覚めました。
やっぱり疲れがたまっていたようです(^^;)
さあ、それではポルトガル「MMD Shoes」社
Vabeene の製造現場のレポートを続けますね。
この写真は、二層になっている工場の二階部分から撮ったものです。
とても整然としていて、合理的な考えの基にレイアウトされているのがわかります。
一階で裁断されて、指定通りの(もちろんサイズごとに違います)革パーツに仕立てられたものが、二階部分にて縫製され、靴としてのパーツに仕上がっていきます。
特殊なミシンで細かなところを縫っていきます。
その前に、縫製する部分を剥いて(すいて)接着剤を塗り、この工程では更に芯地を入れて縫い上げていきます。
反対側から見ると、こんな感じです。
この女性は、他社勤務も含め30年のベテランさんなのです。
見ていてほれぼれするような作業ぶりでした。
ここで少し、ポルトガルの靴産業事情について触れておきますね。
”Vabeene”を製造している「MMD Shoes」社は、もともとスイスで小さなシューアトリエとして出発した会社です。
それがなぜ「ポルトガル」なのか???
最初は、人件費を削減するためなのかなと思っていたのですが、そうではないのですね。
もっと深い、さまざまな理由や必然性があって、ここポルトに本拠を構えたのですね。
スイスではとても人件費と物価が高く、そしてそのためもあって、靴製造のようなきわめて人手のかかる産業が衰退していったのですね。
靴の製造には、作るメーカーだけではなく、それらを支える関連のサプライヤーや技術者たちが必要です。
それらのインフラが崩壊してしまったため、MMD Shoes 社もスイスを離れざるを得なかった訳なんです。
現在、ヨーロッパで一大靴生産地と呼べるのは、ここポルトガルとイタリア、スペインだそうです。
そのイタリアでも近年、靴産業のインフラが厳しい状況になりつつあるとの話でした。
それらはどこへ行ったかというと、南米、アフリカ、アジアそして中国などへ、とのことですね。
そう、世界的に大きな変化が靴産業を揺り動かしてきた結果なのですね。
そんな中、Vabeene を作っている「MMD Shoes」社では、現地ポルトガルの人たちを教育し、彼女らのようなベテランの職人を育て上げてきたなのです。
その間、並々ならぬ努力や苦悩や苦闘もあったそうです。
スイス人がポルトガルの人たちをまとめ上げていくために、ミューラーさんやデューラーさんもとても気を遣われているのがよくわかりました。
18%もの失業率のポルトガルで、きちんと仕事が出来るのはとてもすばらしいことなのですね。
そんな状況下であるだけに、彼女たちの仕事ぶりは、とてもまじめで精力的で、一般の知らない人々が言う「南欧的」な雰囲気は工場内にはありませんでした。
イタリアなどでもそうですが、遊び人の国のように見られるヨーロッパ(ドイツ・フランス・スイスなどはのぞく)でも、仕事はとても効率的だと思います。
ホント、集中してお仕事をしています。
長くなってしまいましたので、今日はこのあたりで。
続く~ (*^_^*)